貴田展

毎月第一週目の水曜に定期的に開催されている、『非商業的』をコンセプトに掲げたラウンジイベント”un commercialize"。
難しい理由などを考えず、音楽を楽しみ、自由を楽しみ、真剣に遊ぶ。そんな内容の濃いクリエイターが集まるこのパーティ
ーは今回で4回目を迎える。
そして今月の三連休前日の木曜日、特別版として祝前日にメンバーの”KID A"の個展と合同で開催されるのだ。
彼の描くイラストには色が少ない。コラージュ系のグラフィックも数多く展示されるが、その中に混ざる黒の線のみで描かれた「落書き」が本当の彼自身なのだと言う。初の個展だけあって、どの程度の完成ラインにたどり着けるか見物である。
夜九時から深夜０時まではラウンジタイム。当日売り切れ御免のフリーテキーラを仰ぎながら、緩やかな音楽とアートに酔える時間が設けられている。そして０時から、KID Aによるボディペイント。そこからclubタイム突入となる。
音楽に携るメンバーは、仙台のclubADDで不定期に開催されるメインストリームパーティー"CREEPIN'"のDJ達。仙台のアッパーダンシーンの雄とも言うべき彼らのイベントは毎回凄まじい動員数と盛り上がりを誇る。
スタイリッシュに、尚かつめちゃくちゃに、早春の風が気持ち良い夜を取り乱してくれる事だろう。

DJ MAYURI 来仙!!

去年11月、KUROKO HEADSをゲストに迎え大盛況に終わった音楽にハングリーな人の為のストイックダンスパーティー"movement FLASH。今年4月にその２回目が開催される。
レジデントがいない。だからゲストとして毎回招かれる、様々なイベントの有力DJの音楽を一度に楽しめるちょっと欲張りなこのイベント。次なるゲストは、かの有名な日本最大級の野外レイブ”メタモルフォーゼ”のオーガナイザー”DJ MAYURI"!!国内外に名の轟く数少ない女性テクノDJだ。
女性とは思えない程のハードな展開と、それを取り囲むオーディエンスとの音の応酬はそうそうには味わえない興奮を齎す。また彼女のフィールドの広さは、自身がオーガナイズするレイブ”メタモルフォーゼ”に毎年集うゲスト陣のメンツからも伺い知れる。去年は、出演２回目となるUKの大御所”GALAXY 2 GALAXY"や、デトロイトの最もブラックネスな音楽を提供するアーティストの一人である"Theo Parrish"、44Boadrumsの企画でまた再燃焼し始めたアバンギャルド界の重鎮"DJ EYE"など著名DJ、バンドがジャンルレスに数多く出演。毎年、その年のミュージックシーンを盛り上げたトップクラスのクリエイターと、変わらない魅力で人々を魅了し続ける著名アーティストをフックアップしていくその視野は、まさに日本クラブミュージックシーンの先駆者とも言うべき物である。
前回、来仙したのはおよそ2年半前。老舗テクノパーティーとして名を馳せ、惜しまれつつも8年の舞台に幕を下ろした”LOGIC"にて。
そのメンバーにて新しく立ち上がったテクノパーティー”Lo"から”DJ MAEYAMA" "NAO ONAKAWA"がゲストDJとして参戦決定。
また、仙台のアンダーグラウンドシーンの中で密やかに独自のシーンを築いてきた"DJ FUMI"も参戦。彼のプレイを聞く事のできる場は数少ないが、そのセレクトのセンスとフロアの空気を読み取り、「静』にも『動』にも自由自在にオーディエンスのテンションを操るその手腕にはファンが多い。
そんな今回のパーティー”movement FLASH"。
何かが始まる予感の滾るこの季節にはふさわしい、勢いのある夜になる事だろう。